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■【戦国BASARA】 真田幸村の受難 第六話 【蒼紅】

◆前回までとは打って変わってのダークな話です。
特に幸村が。


◆黒脛巾組(伊達政宗お抱えの忍者隊)からの報告を、小十郎が手短に報告したものに脚色したお話なので、いろいろ不具合があるかもしれませんが、そのへんはそーゆーものだと生暖かい目で見守ってください。


◆それにしても…話の方向が180°くらい変わりましたが、本来の方向に修正できたので、書いている本人はほっとしていたりしていなかったり←


◆伊達政宗総攻め企画と混在になってしまいますが、混乱に気を付けてください。
気分で書くので、いつどっちをupするかわかりませんので。







「えちぃシーンはまだかー!!」という苦情は、馬の耳に念仏仕様となっておりますので、ご了承下さい←
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 真田家内で起こったというきな臭いと言う事情。
 それは、下手をすれば真田家が取り潰されかねない、重大な出来事だった。



 先の川中島の戦いで重傷を負った幸村の父・昌幸は家督を長男の信之に譲った。家臣一同も弟である幸村にも全く異存はなく、信之は父に倣い仁政を行っていた。
 しかし、それからしばらく経って戻ってきた家老の諏訪氏が、信之の家督継承に異を唱えたのだ。
 諏訪氏は武田信玄に滅ぼされたとはいえ、信玄の息子・勝頼の母で側室の、今は亡き湖衣姫の血縁である。
 湖衣姫の懇願で真田家預かりになった諏訪氏の生き残りのこの男は、情けで生かされていることも忘れたかのように、勝頼の血縁であることを笠に着て時に横暴な振る舞いをすることが多々あった。
 湖衣姫も死に、親子の確執が激しいとは言え信玄には長男・太郎がいる。溺愛しているとはいえ、勝頼の立場はまだまだ微妙である。
 そんな諏訪氏が、あろうことか身柄預かり先の真田家のお家事情に口を挟むなど、以ての外と誰もが思った。何を根拠に、諏訪氏は横暴な真似をするのか、と。
 諏訪氏が後押ししたのは、幸村だった。
 確かに幸村は、数々の戦で武功をあげ、主君である武田信玄の覚えもよい。だが、その事と家督を相続することは、また話は違う。
 とんでもない発言をする諏訪氏に対し、家臣たちは避難轟々であったが、病床の昌幸も信之も、その件についてはおし黙ったままであり、それが諏訪氏の横暴を更に許した。
 だが、得意絶頂の諏訪氏を地の底に突き落としたのは、他ならぬその幸村であった。
 喧々囂々と言い争いをする家臣たちの前に突然現れた幸村は、一刀両断の元、諏訪氏を叩き斬った。
 そして幸村は、諏訪氏の血縁を集めるよう指示し、呼び出された諏訪氏残党は幸村の手により粛正された。その中には、一歳にも満たない赤子もいたという。
 熱血正義感で素直で従順な幸村の突然の凶行に、誰もが開いた口が塞がらなかった。
 確かに諏訪氏は上田の城の中でも、鼻つまみ者的な存在であった。
 だが、仮にも主君の愛妾とその子息の血縁である。そう簡単に斬り捨てていい人物ではなかった。しかも、幸村は一族郎党をすべて粛正してしまったのだ。
 気さくで優しく笑顔の似合う次男坊の、隠されていた冷酷無比な一面に、誰もが恐れおののいた。
 知らせはすぐに躑躅ヶ館にいた武田信玄の元に届いた。
 諏訪氏の横暴ぶりは信玄の耳にも届いている。聡明な勝頼もまた、自分の威光を笠に着て横暴に振る舞う血縁者を疎ましく思っていたので、父である信玄に、幸村の所行についての不問を申し入れた。
 だが、信玄にも思うところがあったのだろう。信玄は上田城のお家事情に介入した。
 家督は長男たる信之が相続すること。騒ぎを起こした責任を取り、幸村には蟄居を命じた。
 主君の命令である。少し波風は立ちはしたが、一応は元の鞘に収まった。
 ただ、蟄居を命じられた幸村を見る目だけが、この日を境に激変した。
 ──鬼を見る目。
 誰もが幸村を恐れ畏怖し、目を合わせることもはばかられた。
 幸村は激変した周囲の視線をものともせず、信玄に命ぜられた通り、大人しく上田城の一室から一歩も出ずに粛々としているだけだった。

 そんな折り、奥州の伊達政宗が南下を始め、破竹の勢いで水戸、日光を攻め落とし、前橋をも陥落させたという。
 甲斐、上田は目と鼻の先となった。
 武田軍は一丸となり、防戦の準備を始める。
 そのような緊急事態にも拘わらず、真田幸村の蟄居は解けない。
 喩え気の迷いによる凶行を犯したとしても、奥州の竜と相対せるのは、甲斐の虎若子・真田幸村を於いて他にはない。武田の家臣たちは誰もがそう思っているのに、当の信玄に幸村の蟄居を許す動きはない。
 軍評定にも姿どころか名前さえ出ないということに、誰もが不安を隠せなかった。
 軍評定の後、溜まりかねた勝頼が父・信玄に詰め寄る。
「事は重大の上、相手は奥州の竜であるというのに、このまま幸村殿を出陣させない腹積もりにござりますかっ」
「相手が誰であろうと、武田には武田の流儀と戦い方がある。よもや忘れたわけではあるまいな」
「い、いえ…。決してそういうつもりでは…。しかしながら、奥州の双竜に相対せるものは、我が軍に於いて、父上と幸村殿の他はなく、しかも総大将たる父上が戦闘に参加するなど以ての外にございます!」
「ならば奥州の双竜を戦場に出さないよう、策を練ればよいことじゃ。よいか、勝頼。力押しばかりが戦ではない」
「…はっ」
 父の深い言葉に、勝頼は言葉を失うが、それでも不安感は拭いきれない。
 勝頼自身もまた、奥州の軍勢と何度も刃を交わしてきたことはあるので、彼らが一筋縄では行かない相手であることは、重々に知っている。
 勝頼の思案では、奥州の双竜に匹敵する幸村をぶつけ、その間に奥州軍の各個撃破を狙うつもりであったのだ。
 だが、その幸村を出すことなく、奥州軍を退ける方法などあろうのだろうか。
 勝頼だけでなく、武田軍の武将たちは概ね不安であったが、それでも奥州軍の進撃を阻むべく、着々と戦の準備を進めていった。




 百戦錬磨の武田軍の戦い方には、なるほどと頷ける統制の取れた正統な戦い方ではあった。
 しかし、旗竿に挙げた孫子の兵法は正攻法故に見事であったっが、攻め入る伊達軍は更に上をいく臨機応変な柔軟性に富んだ攻撃を仕掛けてきた。
 奇襲とは違うが正攻法とは言い難い攻撃に、百戦錬磨と謳われた武田騎馬軍は翻弄され、苦戦を強いられる。
 押されに押され、じりじりと対局を余儀なくされる武田軍。
 風林火山の旗の下に戦う誰もが、紅い虎若子の不在を悔いる。
 幸村の参戦を止めた信玄は、その身に味方からの恨みを受けつつも、不動の姿勢を崩さない。あくまで、"動かざること山の如し"を貫く。
 劣勢の報が矢継ぎ早に信玄の居る本陣へと届く。 
 それまで押し黙っていた信玄が突然、目を剥くように見開き、がばと立ち上がった。
 驚いた側近達だったが、彼らは信玄の言葉を待った。
 だが、信玄の口から出た言葉は、状況を好転させるというには、あまりに苦渋に満ちた呟きであった。
「幸村の奴め…」
「は?」
 側にいた誰もが、不思議そうに顔を見合わせる。
「奥州の軍勢に悟られぬよう、じりじりと撤退を開始せよ。軍勢を本陣付近に纏めあげたら、素早く撤退じゃ。何があっても、決して戻ってはならぬ。よいな?」
 信玄の命令に、側近達は心の中で首を傾げながらも、諾の意を見せ片膝をつく。
 そしてその旨を伝令に伝え、百足隊をそれぞれの軍勢のところへと向かわせた。
 伝令が行き渡り、それぞれの軍隊がじりじりと集結を始めるのを見て取った伊達軍総大将・伊達政宗はここぞとばかりに追撃の命令を出す。
 そのとき、紅く燃える炎が一陣の風と共に、政宗の前に現れた。
 謹慎しているはずの、真田幸村である。
「お館様の行く手を阻むものは、この真田幸村がお相手致す!!」
 紅く燃えたぎる紅い炎と、静かに燃える蒼い炎が出会えば、何人たりともその戦いを遮ることはできない。それが喩え、竜の右目たる政宗の腹心・片倉小十郎であろうと、幸村の主君である武田信玄であろうと…
 突然の幸村の出現に、武田の軍勢は活性を始め士気が上がるが、如何なることがあろうと撤退せよという命令はすでに全軍に行き渡っていた。
 困惑する武田の軍勢の中を、緑色の疾風が駆け抜ける。
「お館様の伝令を忘れたか。撤退を開始せよ」
 それは言い聞かせるというよりは、半ば命令に近いものがある言葉だった。困惑を隠せないまま、武田軍は幸村と政宗が戦っている間、じりじりと撤退を始めた。



 そして政宗と幸村は、一騎打ちの果てに崖下へと落ちていった。
 総大将の消失にざわめき立つ伊達の軍勢を後目に、武田軍は素早く撤退していった。



 ──こうして、話は今の状況に至るというわけなのだが…

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【つづく】



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