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■【戦国BASARA】 最も危険な遊戯 第十八話 【小×政】

いよいよ政宗姫のターン。

お楽しみなシーンはございませんが、それでも拙者は政宗様書けて幸せにござりまする。

はい。
完全に自己満足です。

思えば前半のクライマックスが書いてて一番ノリノリだった気がする。
後半はまだ始まったばかり。
政宗様のエンジンがかからないことには、こちらもテンションがあがらない。
というか、今はまだテンションを上げちゃならないとも。
助走期間はまどろっこしいながらも、どうしてクライマックスに話が繋がるのかと考える愉しさもあったりして、それもまた面白い作業。

そういえば、今回の殴り合い描写のために、拳法の本とか借りてきたのですが、ほとんど使っていない; あほだ。










ジャッキー映画を彷彿させるくらいに書きたかったなぁ…
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 米沢の城では、片倉小十郎という重鎮を欠きながらも政務が滞りなく進んでいた。
 政治の基盤がしっかりしており、政務の流れがある程度確立しているので、重鎮が不在だからといってそれで困るようなことはないというのもある。だが、片倉小十郎の抜けた穴が、それで塞がるとは誰も考えてはいなかった。
 その穴を塞いでいたのは、誰あろう奥州の当主・伊達政宗本人であった。
 己のせいで小十郎を失ったことは重々承知していたため、その罪滅ぼしの意味も含まれていたのだろうが、それにしてもただでさえ仕事の多い政宗が、更に小十郎の仕事まで肩代わりしているのだから、休む暇などまったくない。
 正室の愛姫ですら、政宗が横になっている姿を見たことがないというくらいであった。
 小十郎の欠けた穴の繕いがそれほどでもないと楽観視している家臣もいたが、誰にも言うことなく政宗が一身に背負っていることは、そう知る者はいない。
 だから、政宗の激務を知る極一部の者達は政宗の身体を心配していたが、当の本人が言を左右にしてはぐらかすため、解決の糸は見えないままであった。

 その日も、政宗は取り憑かれたように政務に没頭しており、聞けば食事も減ってきているという報告に、さすがの成実もイライラが隠せなくなってきた。
 小十郎の生死は未だ不明ではあるが、小十郎を失った詫びを自らの責任と認め家臣団に謝罪し、政務に没頭することで責任を果たそうとしているが、それにしてもやりすぎである。
 それでも夜くらいは休んでいるものかと思ったら、側室も正室も誰も呼ばれておらず、にもかかわらず政宗の部屋から夜に灯りが消えることはなかった。
 ここまでくると、さすがに異常としか思えなかった。
 へそ曲がりな当主は人前では平然とした顔をしているが、よくよく見れば目の下の隈や顔色の悪さは否めない。
 真面目に政務に取り組む政宗に誰もが感心していたが、その政宗らしからぬ所業が、成実などの腹心には気に入らなかったのだ。
「いやはや。我らが当主は、まこと仕事熱心で助かりますなぁ」
 何も知らぬ通りすがりの雑談に、成実は無性に跳び蹴りを食らわしたくて溜まらなくなる。
 実際そうしようとして、良直や左馬助にすら羽交い締めにして止められたことも、二度三度ではない。
 今日こそは…と、成実は勇んで政務室へと足を運ぶ。
 乱暴に開けられた襖の向こうで、政宗は多くの書類に囲まれ文机の前に座り込んでいた。
「Ah! 成実、良いところに来たな。会津の冬越しの件だが…」
 成実が来たとわかり、無防備に顔を上げた政宗の右頬に、いきなり鉄拳を叩きつけた。
 政宗の身体は書類と共に、風前の木の葉のように吹っ飛ばされた。
 突然殴りつけられたことにより、最初は何事かと呆然と天井を見上げていた政宗だったが、右頬の痛みと迫り来る成実の殺気に、野生の本能が揺さぶられ、口元が狂気に歪む。
「…Ha!! 良い度胸だな、成実…」
 立上がり様に口端に滲んだ血を拭いつつ、政宗は立ち上がって畳を蹴ると成実に向かって拳を突き出した。
 突進してくる政宗に対し、成実は身体を半身ずらし足だけを突き出す。足を引っかけられた政宗は、再び宙に舞い上がり、襖を突き破って廊下へと飛び出した。
「どうした、政宗。奥州筆頭ともあろう男が、守り役が居ないと眠れもしないか! 食わせてもらえぬと、一人で飯も食えぬというのかっ!」
「……テメェ、成実ェェッッ!!」
 奥州の主である自分を殴り倒したばかりでなく、暗に小十郎不在の不安を指摘され侮辱されたことに、政宗はここのところずっと押さえていた怒りを顕わにし、成実に食ってかかった。
 政宗の渾身の体当たりを身体全体で受け止めると、成実は政宗を抱くように中庭に転がり込み、そのまま二人は取っ組み合いの喧嘩を始めた。
 六爪を振るう政宗と豪腕で名を馳せている成実との、本気の殴り合いである。
 騒ぎはすぐに他の家臣団の目にすることとなったが、この激しい喧嘩を止める手立ては誰にもない。
 政宗と成実が喧嘩することはあっても、このような激しい喧嘩になる前に、いつも二人を止めていた男の姿がないのだ。
「片倉様…」 
 誰かが、救いを求めるようにそう呟く。
 その言葉に、誰もが小十郎の存在を改めて渇望した。
 喧嘩を止められない家臣も、喧嘩の最中の家臣も主も、誰もが戻ってきて欲しいと願わずにはいられなかった。

 お互いに顔を腫らしたまま中庭に寝転ぶ主従を残し、見物していただけの家臣達はそれぞれの持ち場へと戻っていった。
 結局、喧嘩の結果はどちらが勝つとも負けるともでもなく、単に同時に疲れて倒れ込んでしまったというのが真相である。
「ガキの頃以来だな、成実。こんなに殴り合うなんざ…」
「あの頃は、よっぽどになんねーと小十郎も止めなかったからなぁ」
 成実が懐かしむようにそう呟くと、政宗は腹の底からの深い溜息を空に向かって吐いた。
「何やってンだか、あの馬鹿も……」
「お前の早耳にも、小十郎の安否はまだ届かないのか?」
「ああ…。さすがにもう、一月経つしな。もし……」
「『もし』なんて考えるな、政宗。お前らしくもない。お前はいつものようにふんぞり返って、小十郎が戻ってくるのを待てばいいだけだ」
「そだな…」
「思い切り殴り合って、少しは気が晴れたか?」
「まあ…な」
「そいつぁよかった。で、せっかく気が晴れた所だけど、悪いお知らせ」
 そう言って成実が懐から取り出し、政宗の顔に落とした書簡には、五七の桐。
 政宗は目を見開き身体を起すと、その場で書簡を広げ、食い入るように手紙を読み始めた。
 それは小田原に逗留中の豊臣秀吉からの、このたびの戦に関する奥州勢の不始末に対する申し開きに来いという、それは高飛車な内容の手紙であった。
 最初驚きはしたものの、政宗は特に怒るでも悔しがるでもなかった。
 手紙を丁寧に畳んで懐に仕舞い込む政宗を見て、成実もやっと身を起こす。
「どうするつもりだ? 政宗」
「二十人程度の供を連れて行く。成実は留守をしてろ」
「へいへい。御意にございます。…で、実際には、どう行動するつもりだ?」
「……わからん。どうしていいものやら…。生きて戻って来ることができる可能性は、万に一つもないかもしれぬが…」
「それでも行かなきゃならない…か」
「だが、年を越す算段をつけないと、出かけることも出来ないからな。小田原行きはしばらく先の話だ」
 そう言って立ち上がると、政宗は服や身体に付いた枯葉や土埃を払い、部屋へと戻った。


 燭台の火が灯されてからも、政宗は政務室に一人籠もりきりでいた。
 仕事は残っていたが、小十郎を忘れたいがための無茶な仕事をしているわけではなく、ただただ寝転がって天井の節目を見つめているだけだった。
 小田原評定のことも気にはなる。行けば殺されることは、間違いないだろう。
 だが、それよりも何よりも、やはり政宗は小十郎の安否が気になってどうしようもなかった。
「小十郎…」
 声が聞きたい。肌に触れたい。あの厚い胸板に口付けたい。
 だが、何よりもまずは生きていて欲しい。
 常に傍にいるのが、あたりまえのように思っていた。
 だからこそ、いない寂しさは喩えようもなかった。
「…………ッ」
 両腕を顔の上に被せると、目頭が熱くなり小さく嗚咽が漏れる。
 毎夜一人になると、こうして人知れず袖を濡らしていることなど、一体誰が知るであろう。
 だが、この夜は少々事情が違っていた。
 どこからともなく入ってきたつむじ風が燭台の細い灯を吹き消し、周囲を暗くした。
 政宗がそうと気付いた時には、風は政宗の身体に乗りかかり、声をあげさせないようにと口も押さえつけられた。




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【続く】



小十郎は政宗の抱き枕。


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