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■【戦国BASARA】 最も危険な遊戯 第十七話 【小×政】

あと三話くらいで終わらすつもりだったんですが…たぶん無理。
二十五話以内にはまとめたい。
でも、ここから更に話も膨らんでいて、困ったモンだ。

あ。そうそう。
前回の終わりの方について、佐助より怒濤の苦情を脳内受信。
「旦那に触らせてよォ。イイコトすんのがダメなら、せめてちゅうだけでも……ね?」

…………。

子安ヴォイスで「ね?」とか言われて、断れるわけがなかろうなのだァァァッッ!!
というわけで、修正しました。←
うちの佐助、本当に幸村好きだよなぁ…。敵多いのに。感心感心。



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 小田原城を陥落させた豊臣軍は、そのまま小田原に駐留していた。
 城を陥落させたとはいえ、住民の抵抗が強く、連日小規模な一揆が行われていたというのもある。
 だが、公にはされていないが、軍師・竹中半兵衛の具合が芳しくないこともあり、逸る半兵衛を秀吉が諫め言い含めたため、この小田原で腰を落ち着ける事となったのだ。

 外は一揆でピリピリとしているが、城内は平穏そのものであちこちから兵士達の歓談や笑い声が聞こえる。
 その騒ぎを、城内の地下深くにある薄暗い石壁の牢の中で聞いていた片倉小十郎は、一人差し出されていた膳を黙々と食していた。
 玄米と味噌汁、野菜を煮炊きしたものと漬け物という質素な取り合わせではあったが、敵軍捕虜に出される食事としては破格である。
 最初は敵の食事など受け取れるかという気持ちがあったが、思い直すことがあり、小十郎は出された食事はよく味わい、残すことなく食べていた。
 そして、この夜も小十郎の食事が終わったのを見計らったかのように、石の廊下を高い音が近付いてきたのを聞きつけ、小十郎は膳を脇に置いて姿勢を正し訪問者を待った。
「食事は終わったかい? 片倉くん」
「ああ」
 月明かりもなかなか届かない牢の周辺を照らすのは、廊下にある篝火のみ。
 その篝火に照らされた竹中半兵衛の顔は、いつになく妖艶でありながら生気を感じられない。
 だが、艶やかに含み笑いをして小十郎を見つめる仮面越しの半兵衛の瞳は、薄れかけた生気より有り余る情熱をほとばしらせていた。
「小田原城に入城して、一月…。そろそろ、君からのいい返事を聞きたい」
「何度も同じ事を言わせるな。俺が仕える主は、政宗様唯お一人。仮に他の主に仕えることとなったとしても、豊臣に頭を垂れることなど万が一にもない」
「……小田原が喉から手が出るほど欲しかったのは、君たちも同じだったはず。ならば、僕らの狙いもわかっていると思うけれど…?」
 暗に奥州攻めを匂わす半兵衛の発言に、小十郎は口端をつり上げ鼻でせせら笑った。
「小田原の城は陥落できても、相模の地は平定できていねぇクセに、奥州攻めなんざ考えない方が良い。兵糧が間に合わずに兵隊が餓死するのがオチだ」
 暗に匂わせた奥州攻めのことはともかく、小田原城内に囚われてから半兵衛以外の人間と会話したことがない小十郎が豊臣軍未だ相模を平定できずと知っていることに、半兵衛は少なからずの驚きを覚えた。
「驚いたな。他の者が君と話をしないよう、厳命はしてあるはずなのに…」
「話などしなくても、食事が教えてくれた。痛みにくい玄米とこの甘ったるい白みそは、恐らくは出陣の際に持ち出した兵糧。そいつを使っているということは、未だに兵糧を後方支援に頼っているということ。漬け物にしたって、こいつは京の漬け物だ」
「なるほど。でも、それが僕たちが相模を平定しきれていない理由になると?」
「平定が終わっているならば、その力を鼓舞するためにも、見せつけに相模の海から獲ってきた魚の一匹も膳に乗せてくるだろう? 何よりの決定打は、この野菜の味だ」
 小十郎の指が、野菜の煮付けの盛られていた椀を指す。
 もはや、すべての椀に盛られていた食事の形跡すら見えないほどきれいに平らげられていたが、さすがに半兵衛も気付いたのであろう。
 その美しい柳眉の間に皺を寄せ、小十郎の次の言葉を待った。
「上方の薄味に炊いてくれたおかげで、素材の味がよくわかった。野菜ってのはな、土から抜いたらそこで死ぬんだよ。この煮付けの野菜は、死んでから時間が経ちすぎている。冬の奥州の備蓄野菜だって、こんなスッカスカな味はしねぇ。野菜すら現地調達できねぇってことは、そうとう農民達に振り回されている何よりの証拠だ」
 はっきりと言い切った小十郎に、半兵衛はしばしの沈黙の後、満面の笑みを浮かべて盛大な拍手を小十郎に送った。
「素晴らしい! さすがは、片倉くんだ。一日一膳の食事だけで、僕たちの台所事情を知るだけでなく、相模の平定事情まで見抜くなんて…! ああ。やはり僕には、君のことが諦めきれないよ。君なら、きっと秀吉の良い片腕になれるのに…」
「生憎と今の俺は、政宗様の背中を守ったり右目となったりして、結構に忙しい。何を言われようと、俺は政宗様の右目をやめるつもりはない」
「その忠誠心も、賛辞の対象だよ。だけどね、相手があってこその忠誠だよ」
「…なんだと?」
 半兵衛の挑発的な言葉尻に、小十郎は片眉をつり上げ半兵衛を睨み付けた。
 射抜くような小十郎の視線を、半兵衛は涼やかな顔で受け流す。
「伊達くんには、小田原攻め不参加の申し開きをするよう、すでに書簡を出してある。嵌められたのは承知の上だから、必ず彼は来るよ。だが、生きて帰れる保証はまずない」
「貴様……!」
 小十郎の眉根がつり上がり、歯ぎしりが石牢に響く。
「楽しみだね。伊達くん亡き後、君が忠誠心を向けるべき相手が誰なのかが…」
 そう言い放つと、半兵衛は踵を返し石牢を後にした。
 自信に満ちあふれた半兵衛の背中を消え入るまで睨み付けた小十郎。半兵衛の姿が見えなくなると、大きな溜息をついて組んだ腕を枕に寝転がった。
 高い天井にある格子戸の隙間だけが、今の小十郎と外界を繋ぐ唯一の場所。
 冷たい風に乗ってやってくる外気と、風に乗って聞こえる兵士達の喧騒の声。冷たさの中に、小十郎は冬の到来を感じた。
「…畑は、大丈夫だろうか…」
 そう呟いた後、小十郎はチッチッと軽く舌打ちをした。
 ただの舌打ちかと思われたそれは、時に長く、時に短く、軽快な韻律で何度も繰り返された。



 その夜、大きな鷹が小田原城より東へ飛び立った事、数多の木陰衆が無言の内に肉塊に化したことは、夜番に立っていた見張りの兵士達には、まったく知る由はなかった。




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【続く】


小十郎は喰いタンか?
(といいつつ、喰いタンは読んでいない腐れ忍者。)


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