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■【古代中国史】 属鏤 【SS】 ※R-15くらい

戦国BASARA小説が(連載中ですが)一段落ついたのと、インフルエンザで死んでいたのと併せ、ちょっとした息抜きにオリジナルというか、妄想の産物をひとつ。
『呉越同舟』の成語でおなじみの、春秋戦国時代のお話です。

楚からの亡命者・伍子胥と斉の兵法家・孫武の、呉の盛衰に流される愛と別れ。
実際にあったかどうかなんて、三千年近くも前の話だから知ったこっちゃないし。←
『臥薪嘗胆』『死体に鞭打つ』などの成語がバンバンあらわれた、歴史のうねりの激しい時代。
二人の稀代の天才が認め合い、共に盛り立てたのは、中原より外れた後進国扱いされていた呉の国。
そんな激しく妄想を掻き立てられる話に、乗らないわけにはいかない。←ド迷惑



設定が設定なので、漢字がえらく多いです。
「根性で読め!」というのは申し訳なさ過ぎなので、わかりにくいものは(かっこ)をルビと思ってください。





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 楚の人・伍子胥(ごししょ)は、父と兄を無実の罪で処刑されたため、楚王・平王を殊の外恨んでいた。
 命辛々に呉国へ亡命。太子光の客人となり、彼が王となるためのクーデターにも一役買った。
 そのため、無二の親友であった専諸を失う羽目になったが、悲しんでいる暇はない。
 太子光は呉の王・闔閭(こうりょ)となり、伍子胥を客卿として迎えた。
 覇王を夢見る闔閭は、富国強兵策を推し進め、中原より後進国と揶揄されてきた呉の国は、活気が溢れ豊かな国へと変貌を遂げている。

 そんな折り、斉の浪人が十三巻の書物を持って、呉王闔閭に謁見する。
 その名は、孫武
 後世に「孫子」として名を残す、兵法の第一人者である。

 兵法の実践ということで、後宮の女性達を兵士に見立てて、兵法の何たるかを見せよという闔閭のお達しを、孫武は快く引き受けた。
 始めは孫武の号令を笑って無視していた後宮の女性達だったが、軍律に照らし合わせ、「将の命に従わざる隊長は、斬首」という刑罰を決行。
 愛妃二人が引っ立てられた時、闔閭が慌てて止めに入るが、孫武は言う。
「練兵場も戦場であり、戦場では王命に従ってばかりでは勝機を失うこともある。王命は必ずしも従う義務はない。かまわず隊長を処刑せよ」
 と、愛妃二人の首を刎ねさせた。
 この後の練兵では、今までの反抗が嘘のように従順な軍隊ができあがる。
 二人の愛妃を失った闔閭は、さすがにショックは隠せなかったが、怒ることなく孫武に罰を与えるどころか将軍として任命した。
 闔閭の度量の広さもさることながら、闔閭の度量の浅さによっては命さえ危ないであろう行為を行った孫武という若者に、伍子胥は大変興味をもった。
 伍子胥の噂はかねてより聞き及んでいた孫武は、人懐っこい笑顔を浮かべ、伍子胥に握手を求める。
 将軍と名乗るには、あまりに白く細く柔らかな孫武の手に、伍子胥は少なからず驚愕を覚えた。
 武器を持ったことがない手だ。
 だが、苦労を知らぬ手ではない。
 孫武の手の感触を訝しく思うと同時に、伍子胥の心の奥に温かい何かが生まれたような気がしたが、伍子胥はそれらをあえて心の奥に押し込める。
「まずはおめでとうござりまする、孫武将軍」
「ありがとうございます、伍子胥殿」
「それにしても、王の愛妃を斬首させるとは、随分と思い切ったことをなさりましたな」
「まあ、一世一代の大芝居といったところでしょうか」
 屈託のない笑顔からは、婦人に斬首を言い渡す鬼のような兵法家の色はない。
「ですが、呉王の信頼を勝ち取れる自信はありました。王は覇王となろうとしている。野心のためならば、愛妃の一人や二人の首を刎ねたところで私に罪は問わないだろうと、予想はできておりました」
「ほう」
 伍子胥が感嘆の声を漏らすと、孫武は笑って答えた。
「『彼を知り、己を知らずんば、百戦危うからず』ですよ。呉王の気質を十二分に調べた上で、致したまでのこと。剣を持って戦うばかりがいくさにござりませんよ、伍子胥殿」
「ふむう。やはりそなたは、なかなかの稀代であられるの」
「お時間があられたら、私が持参した十三巻の書物を読んでみてください。きっとお役に立つと思いますよ」



 復讐の鬼と言われる伍子胥もまた、人の子だったのだろう。
 天真爛漫な孫武の笑顔に、どうにもすっかり当てられたらしい。
 二人の間柄が親密になると、伍子胥は思い切って胸の内を打ち明けた。
 最初は驚き戸惑いを見せる孫武。
「伍子胥殿が、斯様な思いを抱くとは思ってもみませんでしたよ」
 笑いながらそう言うので、脈なしと諦めかけた伍子胥の節くれ立った苦労だらけの手を、孫武の柔らかい手が包む。
「…伍子胥殿ならわかるでしょう。私が戦場に出たことがないということを…」
「うむ…。剣舞も采配も見事だが、やはり手は嘘を付けぬ」
「戦場には赴いたことはござりませぬが、戦場の陰惨さはこの身でしかと学びました。伍子胥殿には相応しくないこの身ですが、ご笑納いただけますでしょうか…」
 俯いて微笑む孫武の顔は、照れ臭そうにしているというよりは、己が身を卑下した自嘲が混じっている。
 屈託のない子供のような笑顔しか知らなかった伍子胥は、一抹の不安を覚えながらも、孫武の身体を引き寄せ後ろから優しく抱きしめた。
「用兵の道は、どこで学ばれた?」
 孫武の耳を噛みながら、伍子胥が囁く。
 衿を割って胸元を這う手の感触と耳への吐息に、孫武の身体が跳ねる。
「私の…生まれ故郷は、斉に蹂躙されました…。斉の兵士達は…っ、老人と男たちはすべて殺し、女子供はすべて犯し…、奴隷として…連れ帰ったのでござります…」
「孫武殿も…?」
「は…い…。私も奴隷の一人として…、んっ…」
 伍子胥の指が胸の突起をつまみ上げ、捩るように転がすと、孫武は艶美な声をあげ顔を朱に染める。
 上半身を覆う布ははだけさせられ、服の裾も乱れた。
「辛かったであろうな…」
「はぁ…っ、い、いえ、私は幸いにも、隊長に目を掛けられ…。その方と…戦地を転々としているうちに…用兵の道が見え…っ、そのことを論じているうちに、学ぶ機会も与えてくださりまし…んん…っ!」
 辛かったであろう話を、喘ぎながらも語る孫武の口を、伍子胥は褒美とばかりに己の口で吸い上げた。
 絡み合った二人の口を伍子胥の方から離すと、孫武が甘い溜息をつきながらまだ物欲しそうに追いかけようとする。
「伍子胥どの…」
 伍子胥は自分に向けられた孫武の口をワザと避け、頬や首筋に啄むような接吻を繰り返す。
「孫武殿を養われた方は、今どうしておられる?」
「私を師に託した後、再び戦地に…。ですが、そのまま二度と戻ることは…」
「そうか…」
「孫は、隊長の姓です。自分の姓も名も覚えていなかったので、隊長にいただきました。私を連れて歩くと武功を稼げると言って、武という名もいただきました」
「その名を気に入っているのか?」
「はい。私は孤児でしたので、親の顔も名前も覚えていません。ですから、あの隊長が、私にとって父であり師であり…」
 そこまで言うと、突然孫武の双眸から、珠のような涙がはたはたとこぼれ落ちた。
「…あれ?」
 顔は笑っている。
 いつもの少年のような笑顔だ。
 だが、目からこぼれる涙だけは、孫武本人ですら押さえることができないようだ。
「…私は、一体…」
 伍子胥は孫武をまさぐる手を止め、脇に手を入れると孫武を自分の方へと向け直した。
 泣き顔を見られるのは恥だと思っているのに、孫武はどうしても伍子胥から目が離せなかった。
 我が子のように慈しむ伍子胥の目に、養父というべき隊長の優しい目が重なる。
「伍子胥殿…、申し訳…ありません……っ」
 毅然とした態度を取れなくなった孫武は、頭を伍子胥の胸に預け、むせび泣きだした。
 伍子胥は、思いの外小さなその背中を優しくさすり、あやすようにトントンと叩く。
「孫武殿は…、その孫とか申す男のこと、真に愛しておったのだな…」
「恐らくは…もう…、この世の人ではありませぬ…。それでも…」
「もういい、孫武殿。もう何もせん。だから、心ゆくまで泣くがいい」
 復讐の鬼と言われる伍子胥の優しさに、今まで押し込めていた孫武の中のタガが外れ、吼えるような泣き声で孫武は泣いた。
 もう一度抱きしめて欲しかったあの腕に抱かれたような、そんな幸せを伍子胥の中に感じていたのに、なぜ泣いてしまうのか。
 稀代の天才軍師も、伍子胥の腕の中で、親の温もりを求めるように、ただただ泣き叫んでいたのだった。
 



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【続く…?】


続きのネタはあるけれど、続きを書こうかどうかは思案中。


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