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■【戦国BASARA】 『信×幸×佐』 第十四話 ~蒼紅相まみえる~ 【甲斐主従】

今回のお話に至っては、もう甲斐主従ですらない。
しかし、打ちひしがれた真田幸村の心に再び火を付けるのは、やはり奥州筆頭を於いて他にはなし!
と思うちょるわけですよ。
お互いに求め 認め合っているライバルだからこそ、下を向いて欲しくない。
今回のダテサナは、そんな感じですので、エロシーンはありません。
そーゆーお話は、改めて別に書きますので、お楽しみに(何かまた、自分の首を絞める発言をしてしまった気がする)。





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「某と政宗殿のやりとりが気になる御仁は、続きを読むを押してくだされ!」
(脳内CV:保志総一朗)



















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 いくら寝ていたとはいえ、三日も食べていないとなれば、さすがの幸村も空腹を覚えてきた。
 だが、食事どころかここにきて口に出来たものは、佐助が飲ませてくれた水だけである。
 水筒は佐助が置いていってはくれたが、手枷が嵌められている状態では、自分で飲むことすら不可能だ。
「腹が減った…」
 誰に言うわけでもなく、空きっ腹も痛む尻もさすることもままならないまま、幸村はそう呟いた。
「情けねぇ事、言ってンじゃねェよ」
 呆れているというよりは半ば嘲笑うような口調と、低く色気のある声に、幸村はドキリとして顔を上げた。
 格子越しにもたれ掛かっているのは、自他共に好敵手と認め合っている、独眼竜・伊達政宗。
 突然の政宗の来訪に、幸村は驚くと同時に情けなく恥ずかしい気持ちになり、再び視線を床に落とす。
「武田のおっさんだって、オメェを連れて帰ってから、何も食っていないんだぜ? 起きていてのメシ抜きと、ずっと寝こけていた奴のメシ抜きと一緒にすんじゃねぇ」
「お館様が、食事を取られていないと?」 
 知らなかった事実に幸村は衝撃を覚え、顔を上げて政宗を見た。
「ああ。テメェが出てくるまでは食事を取らないって、ずっとだ」
「そんな……」
「どうすんだ? このまま、主従そろって飢え死にするつもりか?」
「そ、某はともかく、お館様を飢え死にさせるわけには……!」
 言ったそばから、幸村の腹が大きな音を立てて響いた。
 正直な腹の虫に、政宗が格子に寄りかかってククッと喉を鳴らして笑う。幸村が顔を赤くして俯く。
「真田」
 政宗に呼ばれ思わず顔を上げると、政宗が格子越しに差し出してきたのは、大好物の団子であった。
 幸村は目を見開き唾を飲み込み、飛びつきたい衝動に駆られ、立ち上がろうと肘を立てたが、信玄の顔が脳裏を過ぎると再び憮然とした表情で座り込んだ。
「み、みくびってもらっては困る! この真田源二郎幸村、お館様が食しておらぬというのに、むざむざと団子などにうつつを抜かすような男ではない!」
 そう熱く語る幸村ではあったが、やはり腹の虫は正直なもの。先程よりも長く大きな音を立てて、幸村の言動に抗議の意を示した。
 慌てて幸村は腹を押さえて政宗に背を向けるが、座敷牢どころか武田屋敷を揺るがすような勢いで鳴った腹の虫が、こんな傍にいる政宗に聞こえないわけがない。
 コロコロと表情が変わる幸村の仕草が面白くて、政宗はとうとう大きな声で笑い出す。
「伊達殿っ!」
 怒鳴ってはみたものの、笑われるのは自業自得であることは、幸村もわかってはいた。
 だが、こうも露骨に笑いモノにされては、やはり怒りをぶつけずにはいられない。
「あー。sorry、sorry。悪ィ」
 悪いと言いつつも、ニヤニヤしている政宗に、反省の色は窺えない。
 政宗は笑うのを止め呼吸を整えると、幸村に見せびらかしていた団子をひとつ、口にした。
 目の前で大好物をこれ見よがしに食われ、幸村はさらに顔をしかめる。が、団子からはどうしても目を離すことはできずにいた。
 改めて視線が合わさると、政宗は炎の消えた幸村の双眸を凝視した。
「……辛いんだよな、あの薬盛られると」
「なん……!!」
 なぜ、政宗が薬を盛られたことを知っているのか。
 目の前にいる好敵手は、己の嬌態をどこまで知っているのか。
 幸村はからかわれたことも空腹をも忘れ、驚愕した表情で政宗を見つめた。
 政宗の隻眼は、幸村を見据えつつも、どこか憂いのようなものを帯びており、それがこの男の色香を更に増幅させていた。
「身体が熱くなって、思考力も落ちる。身体の疼きを満たしてくれるなら、誰でもよくなるんだ。もう出せなくなるまで搾り取られても、まだ欲しくて堪ンなくなる」
 薬を仕込まれた者でなければわからない、詳細な症状。それを、政宗が淡々と述べている。
「伊達殿…。まさか、片倉殿が?」
 政宗と小十郎の関係は、伊達軍のみならず、武田軍の一部にも周知の事実である。
 それに幸村は、この二人が熱い接吻を交わしている姿を、その目にしっかりと見せつけられていた。
 端から見ても相思相愛ぶりがわかる伊達主従であるが、馴れ初めはどうだったのか。
 幸村の脳裏に浮かんだ疑惑を、政宗は鼻で笑って否定した。
「Ha! 小十郎がそんな姑息な真似するワケ、ねぇだろが。どっちかっつーと、俺はあいつに助けられたんだぜ?」
「さ、左様でござったか…。片倉殿に申し訳ないことを…」
「で、オメェはどうなんだよ、真田幸村」
「何がでござるか?」
「身体が疼いてどうしようもなかった時、助けてくれたのは誰だ? まだ狙われている可能性があるのに、無防備にも拘わらず、オメェを愛してくれたのは誰だ?」
「!!」
 政宗の言葉に、幸村は鋭く胸を突かれる思いだった。
 明智光秀が撤退したとはいえ、伏兵がいないとは限らない。
 にも拘わらず信玄は、己を懸想しつつも己がために命を賭けようとした幸村を受け止めた。
 必要とされているから。
 信玄にとっては、幸村は息子のようなものかもしれないが、武田軍にとってばかりでなく、信玄自身にとって失いたくない大事な存在であることには変わりない。
 思い上がりかもしれないが、そう考えるとすべてが納得できる。
「あと、武田のおっさんから、コイツを預かってきた」
 そう言って政宗が幸村に投げつけた物を、幸村は無意識に受け取った。
 六文銭の首掛け。
 戦場における、真田幸村の覚悟のしるし。
「三途の川の渡し賃。この俺以外の手でソイツを使うのは、ゼッテェ許さねぇからな!」
 気迫の籠もった政宗の声と、熱く青い炎が燃えたぎる隻眼に、幸村の心もまた熱を帯び始めた。
「伊達殿…!」
 六文銭を強く握りしめ、再び顔を上げ政宗を見上げる幸村の顔は決意にみなぎり、双眸は紅い炎が熱く燃えたぎりだした。
 再び幸村の心に、熱い炎が燃えたぎる。
 その様子に、政宗は満足そうに口端を歪めて笑った。
「この借り…、戦場にて、お返し申す!」
「Ha! OK。それでこそ、真田幸村だ」
 嬉しそうに政宗はそう言うと、いきなり腰の刀を抜刀し、幸村目掛けて振り下ろした。
 剣圧で、牢の格子の一部と、幸村の腕を拘束していた手枷が砕ける。
「生憎と牢の鍵はもらえなかったんでな。だけど、あとはテメェで何とかできるだろ?」
「伊達殿……、かたじけない!」
「礼なら、テメェんとこの大将と、配下の忍に言いな」
 きびすを返して座敷牢の一角を去る政宗の背中を、幸村は見えなくなるまでずっと見守っていた。
「お館様…。佐助…」
 まだまだ未熟者の自分を案じてくれた二人の愛すべき男の顔が、交互に脳裏を過ぎっていく。
 彼らの気持ちに報いるためにも、常に前を向いて突き進むこと。
 それが、幸村ができる二人への返答。
 砕けた手枷を外し、幸村は牢の格子を睨み付ける。
「うおおおぉおぉおおぉぉっっっ!!」
 気合い一閃。
 幸村の拳が、それまで幸村と外界を隔てていた格子は、粉々に砕け散った。
 一歩一歩、踏みしめるように、幸村は座敷牢を後にした。
 その表情に、もはや迷いはない。



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【次回、最終回!】

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